青春を山に賭けて 植村 直己

こんにちは。もぞ太です。

旅、冒険、自然などをテーマにした本を紹介します。

今回は、植村直己さんの「青春を山に賭けて」です。

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「ドングリ」と呼ばれた男が、世界初の五大陸最高峰に登頂。

植村直己さんは1984年2月、冬季マッキンリー登頂後に遭難して亡くなっています。
1980年代前半に生まれた私は、大人になってから植村さんの活躍を知りました。

日本人初のエベレスト登頂。史上初の世界五大陸最高峰登頂。手作りイカダでアマゾン河下り。等々。
植村さんが成し遂げた冒険のスケールから、スーパーマンのような方のイメージを持っていましたが、本書を読みそのイメージは吹き飛びました。

本書には、とてもチャーミングで、かわいらしく、恥ずかしがり屋で、負けず嫌いで、意地っ張りな若者の姿が描かれていました。
学生時代「ドングリ」と呼ばれた男が、五大陸の最高峰に登頂するまでが、飾らない言葉で、赤裸々に語られています。
植村さんの「初体験」のエピソードまで・・・。そんなことまで書いてくれるんですか、植村さん。と、思わずにはいられません。

読了後、植村さんの大ファンになりました。

国民栄誉賞を受賞されている、登山界の超ビッグネームですが、まだ植村直己さんをよく知らないという方々には、是非読んでいただきたい一冊です。

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植村直己さんの言葉

これまでの私の、山を舞台にした自然との苦闘と違い、アマゾンへの挑戦には、恐ろしい中にも別なスリルの味わいがあった。つね日ごろ、宗教心などひとかけらもない私が、とにかく真剣に神に祈ったのだから不思議なものだ。しかし、自分の力で切りぬけられるときには、祈るよりは立ち向かうべきことを学んだ。(「青春を山に賭けて/六十日間アマゾンイカダ下り」より抜粋)

濡れたシュラフの中に体を横たえているだけの雪洞での停滞は、話す相手もいない。私はシュラフの中で、エベレストのこと、アマゾン河イカダ下りのことなど、過去の出来事を思いうかべた。それは実に楽しかった。アマゾンのことなどは、まったく昨日のことのようにまざまざと思い出された。それはカラー映画のようでさえあった。私にとって、過去のできごとは、まったく心の宝であった。(「青春を山に賭けて/五大陸最高峰を踏破」より抜粋)

いくら私が冒険好きだからといっても、経験と技術もなくて、また生還の可能性もない冒険に挑むことは、それは冒険でも、勇敢でもないのだ。無謀というべきものなのだ。それがどんなに素晴らしい挑戦であったにしても、生命を犠牲にしては意味がない。(「青春を山に賭けて/地獄の壁・グランドジョラス」より抜粋)

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