【インド旅日記 】ガンジス川が流れるバナラシでサイババの弟子に遭遇。

もぞもぞ雑記
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ガンジス川ほとりの街バナラシに到着

2008年3月6日 RADIANT YMCA TOURIST HOSTEL in Varanasi

今日でちょうどこの旅も1週間経つ。今のところ少なからずトラブルに会いながらも、1日の終わりにはちゃんと幸せな気分で眠ることができている。すごくツキがあるのかもしれない。

朝6時を過ぎると寝台車の中は人々が起き始め、騒がしくなり、目が覚めた。かなりトイレに行きたかったが、あまり列車のトイレは使いたくなかったので我慢した。トイレとはいっても、床に穴が開いているだけで線路に垂れ流す仕組みでとても汚いのだ。ホテルにありつけるまで待とう。
バナラシ駅で降りるときは、となりに座っていた赤ちゃん連れの夫婦が「あと5分だよ」とか「ここの駅だよ」と教えてくれた。

駅に着くと、「こっちだ、こっちだ!」と、やたらに噛みタバコで前歯が真っ赤に染まった兄ちゃんが呼んでいる。なんとなく着いて行ってしまったが、これがちょっとだけ今後の良い勉強となるトラブルを引き起こした。

「いいホテルを知ってる、安い。100~200ルピー位だ。」その赤歯の、見るからにアヤシイ兄ちゃんは言った。僕はとにかく便所に行きたかったので、その兄ちゃんに任せることにした。いくつかホテルを回ったのだが、どこも満室で入れない。トイレにも入れない!
4件目位に行ったYMCAのホステルに部屋があり、1泊750ルピーで少し高いかなとは思ったのだが2泊することにした。
赤歯の兄ちゃんはガイドをするというので、500ルピーを300ルピーにさせて(それでも高いのだろうが・・)12時にホテルのフロントで待ち合わせをすることにした。とにかくトイレに行きたかった。ここにはトイレットペーパーが無く、今回の旅で初めて持ってきたトイレットペーパーが大活躍した。

12時になり赤歯の兄ちゃんとその連れとで出かけた。まずはやはりガンガジス川へ行ってみた。ボートに乗り沐浴している人を眺めた。日本ではありえない光景なのだが、インド人が行っている沐浴はとても自然に見え、何の違和感も感じなかった。
その後いくつか寺を見て回り、「どこか行きたいところはあるか?」と言うので、ラームナガル城に行きたいと言った。チケットが250ルピーかかると赤歯の兄ちゃんが言うので(そう言っているように思った)やめようかとも考えたが、地球の歩き方を見ても料金がかかるとは書いてないし、何かの間違いではないかと思い、とりあえず行ってみることにした。これがちょっとしたミス。

ラームナガル城を見た後、屋台でジュースを飲んだり、何と言えばいいのかわからないものを食べたりした。ホテルへ戻った後、赤歯の兄ちゃんが提示した料金は、最初に決めてた300ルピーに加えて、追加の250ルピーとラームナガル城の入場料2人分24ルピーの合計574ルピーだった。その時にはじめて、そう言うことかと気づいた。ラームナガル城はガンジス川の対岸にあり、ガンジス川を越えると料金が250ルピーアップすると言っていたのだ。完全に意味を取り違えていた。300ルピーしかインドマネーの持ち合わせがなくて、残りは8ドルで払った。もう2ドルよこせと言うので、8ドルは300ルピーだぞと怒って最後はかなりもめたが結局8ドルで押し切った。部屋に戻り、失敗したなぁという印象。ホテルもガンジス川から遠いし、ルピーがほぼなくなってしまった。

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医者を目指す好青年、ムンナーとの出会い

少し休憩を取って5時前位からホテルのフロントで両替して出かけた。あてもなく歩いてみようと思ったのだ。相変わらず色々な人に話しかけられ、少し話したりしながら歩いた。リクシャーやショップの店員は全て断る。

ダーシャンシュワメードロードは人また人でごった返していた。今日はお祭りらしく、インド人観光客も数多くいるのだそうだ。
そんな時、日本語で「日本の方ですか?この通りはものすごくスリが多いので気を付けて下さい。」と声を掛けられた。とても上手に日本語を話す、ムンナーという青年だった。
彼は23歳の医学部の学生で、今は冬休み中。普段は家庭教師のアルバイトで忙しいらしいが、たまに時間ができるとこうして自分の日本語の上達のために日本人に見える人に声を掛けているのだそうだ。「もしよろしければ、ボランティアでガイドします。でも、ひとつお願いがあります。私の日本語で、間違ったところがあった場合、教えてください。」とても感じがよく、「もちつもたれつです。」など言い、ユーモアもある。目を見れば、下心のある奴か純粋に自分の向上心と親切心で声を掛けてきた奴かの見分けは、なんとなく分かる。僕は彼の申し出を快く、むしろラッキーだと思い、受け入れた。

バナラシはシルクで有名で、インド中から娘の結婚式の服などをここに買いに来るのだそうだ。また、バナラシでシルクを安く仕入れて、デリーやコルカタや日本の新宿なんかで売りさばく人も多いそうだ。ただ、ダーシャンシュワメードロードはスリやぼったくりも多く、インド人の観光客でさえ引っかかってしまうのだと。商業化されてしまった街なのだそうだ。
ムンナーは昔から続く店が多くある、地元の通りに連れて行ってくれた。細い路地に店が並び、野菜やチーズやシルクなどを売っていた。彼が言うには、このあたりの商品にはわずか1割の利益しか乗っていないのだそうだ。チーズが1キロで10ルピーくらいしかしない。心からヒンズー教を信じている人びとは、輪廻転生を信じており、現世で良い行いをすれば、来世でまた人間として生まれることができると信じている。だからここら辺の旧市街の店では、ぼったくりなんかは行いに反する行為なので、ありえないのだそうだ。
とてもきれいなシルクを売る店があり、日本やデリーなんかで買うと1枚2万円くらいするような品物が3,000円から4,000円で売ってあり、朱色のやつを1枚購入した。もっとお金があれば沢山買って帰りたかったけど、1枚が限界。

ムンナーはヒンズー教徒でタバコも吸わないし、酒も飲まない。ただ時々、自分のリラックスのためにエロ本を買ったりナンパしたりするのだそうだ。毎朝5時48分に沐浴しているらしく、「いつか京都に行って鴨川で沐浴したいです。」と言うので、「鴨川で沐浴したら、たぶん警察が来ちゃうよ。」と伝えると、「ヤッベー、ヤッベー。」といって笑った。
彼の夢は開業することなのだそうだ。内科医として勉強しているらしい。日本よりも3年長い9年間、インドは医学部で勉強するらしい。アルバイトと奨学金で生活費をまかなっており、父親は会社の社長らしいが、手を借りることは一切無いのだと。
インドには病気になっても治すお金を持っていない人たちが大勢いて、そういう人達のための病院を持ちたいと言っていた。

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