【インド旅日記】ブッダガヤ―で出会った少年と青年とのお別れ。

もぞもぞ雑記
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ダッシュで走り去る少年、グッバイくらい言おうぜ。

2008年3月12日 GAYA HWH EXPRESS S2 46 Sleeper Coach

朝起きて朝食を取ろうとホテルの地下にあるレストランへ向かうと、ホテルのエントランスのところで昨日の少年が僕を待ち構えていた。彼はチョウメンが食べたいと言い、一緒に食事をすることにした。

朝食後、少年は僕の部屋に来たがり、ラキシュが迎えに来てくれるまで一緒に時間をつぶした。僕の持ち物ひとつひとつに興味を示し、洗顔料で顔を洗ってみたり、リュックを背負ったりした。

「一緒にコルカタに行きたい。」なんてことも言っていた。年を聞くと、8歳とのことだった。「ぼくの家には時計が無いんだ。」と言い、100円ショップで買った目覚まし時計をすごく欲しがっていた。

予定より少し遅れて、10時45分頃ラキシュが来た。仲良くなった少年ともお別れだなと、感傷に浸っていたところ、少年が何やらラキシュにヒンドゥー語で話している。その後ラキシュが僕に「彼に50ルピー渡してください。」と言った。金を渡すのはなんだか気が引けたし、理由もよくわからなかったが、少な目に20ルピーを少年に渡した。すると少年は驚くことに、あっという間に、一目散に、敵前逃亡よろしく、僕の前から走り去ってしまったのだ。

手を振って別れを惜しむなんて、夢にも思わないようなダッシュ。走り去った少年の背を呆然と見送った。少年はすぐに僕の視界から消えてしまった。つい10分程前まで、「一緒にコルカタに行きたい。」なんて言ってた子が、えぇっ!そんなダッシュで走り去ることある?

近くにいた他の同年代の少年たちに、20ルピーを取られてしまうことを恐れたのか、金を貰ったらもう万事OKなのか分からないが、かなり衝撃を受けた。これもまたインドなのか・・・。

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ガヤー駅到着、やはり列車は遅れてた。

ラキシュのバイクに乗せてもらい、ガヤー駅へやってきた。

予想通り、列車は遅れていた。昨晩停電があったため遅れているようだ。12時10分発の列車だったのだが、2時に出発するとのこと。ラキシュは本来、今日は大学のテストの日だったのだが、僕を見送りたい旨を先生に伝えて、テストを明日にしてもらったのだそうだ。そういう融通のきくところもインド的だなぁと思いつつ、彼の親切心に感謝した。

ラキシュの家はあまり裕福ではなく、彼の友人達はほとんど皆モバイル(携帯)を持っているのに、彼はまだモバイルが買えないのだそうだ。今900ルピー持っており、安いモバイルならあと600か700ルピーで買えるという。いくらか手伝ってくれないか、と言うので500ルピーを彼に渡した。

日本人的な感覚からすれば、感謝の気持ちをお金で表すのは少なからず抵抗があったが、ヒンドゥー的な彼らの考え方からすれば、持っている人が持っていない人にお金を渡して、礼を尽くすことは自然なことなのだろう。昨日ラキシュの家にお邪魔したとき、何人かの日本人が、ラキシュの家族と一緒に映っている写真があった。その内の一人は医者で、ラキシュの家にホームステイをしたのだそうだ。その日本人医師は、ラキシュ一家の親切心に、自動車をプレゼントするという形でこたえていた。だが、その車すら手放さざるをえない状況になってしまい、今はその車は売却されていた。

僕はとてもそんな金持ちではないが、ラキシュの親切心には本当に感謝していたので、わずか500ルピーで逆に申し訳ないなぁと思いつつ、彼に渡した。

ラキシュのように真面目で勤勉な人間が、やはり夢をかなえるべきだ。おこがましいが、その手伝いを少しでもできればと思ったし、僕自身も年下の彼の真面目さには多分に見習うべきところがあった。

ラキシュとのお別れ。

列車が到着するまで、ラキシュに日本語を教えた。彼は、「日本人になりたい!」と言う。自分の顔は日本人に似ているか?と尋ねられ、ちょっと困った。彼は、日本人のことをすごく好きなようで、「インド人は75%がhonest(正直者)で25%はdishonestだ。日本人は95%がhonestで5%がdishonestだ。」と言った。

インドの列車に乗るのは、本当に大変で、インド人のラキシュですらホームを間違っていた。2時を過ぎても列車が到着しないので、おかしい、ということになり、あたりを見回していると、なんと別のホームに到着しているではないか。走って列車に向かい、ラキシュが僕の席を探し出してくれた。彼とは固い握手をして別れた。

そろそろ出発するだろうと思っていたのだが、一向に列車は動き出さない。結局、ガヤー駅を出たのは、なんと3時だった。約3時間遅れ。途中の駅でも、やたらに長く30分程停車したり、なんだかよく分からない。

僕の席は、3段ある寝台の一番上で、そろそろ横になりたい上に登ると、既に人がいるではないか。ここは僕の席だからどいてくれ、とそのインド人に伝え、彼は渋々といった感じで下に降りた。なんだが、僕が悪いことをしているみたいだ・・・。

列車の遅れは逆にラッキーだと考えていた。予定通りの運行だと、コルカタに夜中の2時か3時に到着するはずで、駅で一夜を明かそうと思っていた。列車が遅れたことで、日が昇ってからコルカタに到着することになると、ありがたい。

明日はいよいよ最後の街、コルカタだ。

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