【インド旅日記】 イーバカフェで休息。幻想的な夜のプージャ。

もぞもぞ雑記
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イーバカフェを訪れ、偶然オーナーの杉本さんにお会いした。

2008年 3月7日 RADIANT YMCA TOURIST HOSTEL in Vanarasi

バナラシ滞在2日目。今日はとにかくガンジス川沿いを歩こうと思った。インドはとにかく夏の始まりで暑い。ガンガー沿いを歩き、マリファナを売ってくるおっさんや兄ちゃん達をかわしながらガート沿いをすすむ。i:ba Cafe’の看板が見え、地球の歩き方に書いてあったカフェだと思い出し、オーナーが日本人らしいので、行ってみることにした。

案内看板をたどって歩き、ようやく目的のカフェを発見。店内をぐるっと見渡し、2階へ上がろうとすると、ひとりの日本人男性が「2階は事務所なんですよ。」と声を掛けてきた。てっきり旅行者だと思い、「お一人で旅行されてるんですか?」と尋ねると、なんとその人がこの店のオーナーだった。隣に座らせてもらい、ラーメンとコーラを注文した。
「イーバカフェ、なのでもしかしてイイバさんって言うんですか?」と尋ねると、全く関係なくて、「杉本って言うんですよ。店の名前とは全く関係ないので、あまりつっこまれたくないんですけど。」とすごく好感の持てる照れ方をされた。イイ場所とか、世界中の人が発音しやすい名前とか、そういうコンセプトで付けた店名らしい。店はまだ2年ほどだが、10年くらい前からインドに住んでいるとのこと。もの凄く興味のある生き方をしている人だと思ったので、色々と尋ねた。

東京生まれの東京育ちで次男。長男が家業の建築関係を継ぎ、自分は静岡のスーパーかなんかの会社に勤めたが、会社が倒産に近い状況だということを知り、2年ほど働いたのちに退職。以前旅行で来たことがあったインドへ、今度は住むためにバナラス・ヒンドゥー大学のヒンドゥー語学科の学生になった。2年間の就学を終え、大学で日本語を教えてくれと頼まれたり、日本の商社がシルクを仕入れるのを手伝ったりして生計を立て、その後、会社を作った。日本のテレビ局がインドを舞台にするものを撮るときのコーディネーターなどもやっているらしい。カフェよりもそっちがメインのようだ。「ガンジス河でバタフライ」の撮影にも協力したらしく、メイキング映像には映っているとのこと。撮影の打ち上げは、このカフェでやったらしい。長澤まさみやクドカンなんかと一緒に仕事をしていたなんて、驚き。
明日は、インドで将来開かれる日本映画祭の打ち合わせでムンバイに行かなければならないとのことだった。今日でなければ会えなかったし、杉本さんがたまたま店内で昼食中でなければ、こんなに話すことはなかっただろうと思う。今はインド人の奥さんと結婚し、夏真っ盛りにはガンジス川でウインドサーフィンをやるらしい。めちゃくちゃカッコイイ生き方をしているのに、物腰はやわらかく、「地球人って感じですね。」と言うと照れながら笑う。

僕が感じたインドやインド人なんかに対する感想を興味を持って聞いてくれた。子供の物乞いにはどう対応してよいかわからない、というようなことを話すと、「答えは無いのだろうが、俺はやらないようにしているかな、お金を貰えない、手を出しても稼げない状況が続けば、自然と働く方に意識が向くだろうし、じーさんばーさんの物乞いとは違うからね。」と答えてくれた。
他にも、歯磨き粉を無くしていたので、インドでは歯磨き粉は何と言えばいいのかってことや、カーストの外にいる日本人の方がインドでは逆にいろんな仕事がしやすいのだということを教えてもらった。

ずいぶん長く話してしまい、1時間半くらい店内でラーメンを食べた後も話していたので、そろそろ出た方がいいかなと思い、会計をしてもらった。イベントをしており、2つのサイコロを振って同じ目が出たらTシャツをプレゼントしているとのこと。サイコロを振ると、なんと2つとも1の目が出た。確率は36分の1のはずだから、かなりラッキー。赤茶の生地にに黄色くi:ba cafeのロゴが入ったTシャツをいただいた。こういったものが、自分への最高のお土産になる。昨日のサイババの弟子に貰ったアヤシイお守りもそうだ。何もお土産屋で買うものだけが、お土産ではないのだ。「インドに来たら、また来ます。」と伝え、店を出た。

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幻想的な夜のプージャに圧倒された。

歩いていると、とても穏やかな雰囲気を持つインド人のおじさんに声を掛けられ、チャイを飲んだ。2件チャイ店をはしごして、のんびり飲んだ。

ダーシャンシュワメードガートに戻ると、ちょうど祭りが始まるところだった。プージャという礼拝で、ロウソクの火と音楽と青年たちの祈りが、ガンジス川に捧げられていた。お香がもうもうと焚かれる中行われており、とても神秘的で、民族音楽と祈りの舞いがミックスされたプージャに、しばし時間を忘れて見入ってしまった。僕には神に対する祈りなのか、死者に対する祈りなのか、またはガンジス川に捧げる祈りなのか分からないが、なんか、人間ってすごい!と思った。

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