【インド旅日記】最後の街、コルカタ。インド人の値切り交渉を間近で体験。

もぞもぞ雑記
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最後の街、コルカタに到着。

2008年3月13日 Hotel Biman in Kolkata

インドのホテルで過ごす最後の夜。ビールを飲んだ後で、少し酔っている。明日の夜には空港へ行き、インドとさよならだ。訪れる街で必ず出会いがあった。運に恵まれた旅だったと思う。今日もまた2人のインド人と友達になった。

朝、列車は予想していた通り8時にハウラー駅に到着した。遅れたおかげで駅で一夜を明かさずにすんだ。バスで市街まで出ようと思ったのだが、ごちゃごちゃしていて、どのバスに乗ればいいのかさっぱり分からない。結局、タクシーで安宿街のサダルストリートまで行くことにした。

サダルストリートを歩いていると、インド人のおっちゃんに声をかけれれ、安宿ならここがいいぞと宿の名刺を渡された。「あそこの日本人も泊まっている。」と一人の日本人女性を指さした。その日本人女性が言うには、部屋はまぁまぁきれいで、もう5日も泊まっているとのこと。今まで約2か月間インドを旅しており、今日デリーへ行って日本に帰るのだそうだ。女性のインド一人旅・・・、たくましいなぁ。ホテル探しも面倒だし、300ルピーでそのホテルに泊まることにした。

11時ころからホテルを出て、近くのブルースカイというレストランでトマトカレーとバターナンを食べた。なんとなく入った店だったのだが、なかなか美味かった。

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2人のインド人と行動を共に。シルクを買いに行った。

レストランを出て間もなく、2人のインド人男性に声を掛けられた。名前はペルーとラジャー。彼らもまた、ムンバイから来た旅行者だった。ペルーはコルカタは3度目で、ラジャーは初めてとのこと。彼らの父は共にコルカタで不動産関係の会社を経営しており、彼らもそれを手伝っているとのこと。ペルーは28歳、ラジャーは27歳。去年、彼らは東京や横浜、大阪を旅しており、「日本人はとてもhonestだ」と言い、日本人に対して好感を持っているようだった。

彼らと一緒にモイダン公園を抜け、フーグリー河へ着いた。この川はガンジス川と繋がっており、人々はやはりここでも沐浴をするのだそうだ。ヘドロが川岸に溜まっており、ちょっと汚かった。ラッシーを飲んだ後、ラジャーが昨日オーダーしていた、ホーリー祭で着るための服を取りに織物屋まで歩く。ペルーが言うには、コルカタは工場のある街なので、カシミールシルク?だったっけか、羊100%の織物がとても安く手に入るのだそうだ。加えて、彼らは今日は40%ディスカウントの日だ、と言っていた。新聞で読んだのだと。

その店はとても狭く、奥の方は1メートル位しか高さがなく、僕たちは靴を脱いでそこに座った。間もなく店員のおっちゃんがやってきた。ペルーが「今日はディスカウントの日だな?」と聞くと、おっちゃんは「はい、25%ディスカウントの日です」と答えた。

「ノー!今日は40%ディスカウントのハズだ!今日の12時から18時までは40%ディスカウントだと新聞で読んだぞ。」とペルー。店員のおっちゃんは、ドキリとした様子で、「わかりました、40%引きにしましょう。」と言う。商品を持ってくるようにおっちゃんに頼み、その商品をじっーと眺めるペルー。彼は、生地をつねったりして何かを確認している様子だったが、すぐに「違う!これはミックスだ!俺たちはピュアな物が欲しいのだ!」と言う。おっちゃんは、ばれたかー、というような、なんとも分かりやすい表情を一瞬顔に浮かべた。「わかりました。ピュアな物をお持ちします。」

次々と並べられたカシミールシルクの中から、気に入ったものを僕は2枚、ペルーとラジャーはそれぞれ3枚ずつ選んだ。ペルーが言うには、ミックスはつねると形が残るが、ピュアな物はつねっても形が残らない、とのこと。やってみると、なるほど、その通りだった。また、ピュアな物は燃やしてもすぐに火が消えて、髪の毛が燃えた匂いがするのだそうだ。これはバナラシでムンナーが教えてくれたのと同じだった。

これぞインド人の値切り交渉!

さぁ、ここからが勝負だ、といった感じでペルーが鼻息を荒げる。「さぁ、ひとついくらだ?」おっちゃんは、「175ドルです。」と答える。
ペルー「40%ディスカウントの価格が?」
おっちゃん「はい、そうです。」
ペルー「OK、ちょっと向こうに行っててくれ。」
店員のおっちゃんに席を外させて、僕たち3人は密談モードに入る。
ペルー「175ドルはムンバイやその他の都市で売られている値段だ。but!ここはコルカタだ。コルカタは工場の街なので安いんだ、俺はそのことを知っている。あの店員は俺たちのことをバカだと思っている。だが違う!俺たちはコルカタはもう3度目なんだ。」ニヤリとした表情で続ける。「いいか、俺たちはまず55ドルで最初のチャレンジをして様子を見る。」

おっちゃんを呼び戻し、「55ドルにしろ。」とペルー。
おっちゃん「バカな!私は75ドルと言ったのではない。175ドルと言ったのですよ!」
ペルー「俺たちは学生で、とてもpoorなのだ。プリーズ。」と猫なで声。
おっちゃん「55ドルは無理だ。」
するとペルーはさっきの猫なで声から一転、強気、高圧的に「70ドルだ!70!」
おっちゃん「いや、頑張っても95ドルです。」
ペルー「わかった、これが最後だ。80ドル!これがラストだ。もし80ドルになれば、俺たちはムンバイへ帰ってから知人友人にこの店をおすすめするだろう。」
おっちゃん「本当ですね?プロミス?プロミス?!」
僕たち3人声をそろえて「プロミス!プロミス!」
おっちゃん「わかりました。80ドルにしましょう!」

なんと、最初175ドルだったものが、80ドルになってしまった。僕はあまり持ち合わせが無く、1万円と50ドルで払い、足りない分はペルーが「俺が払うから大丈夫だ。」と言ってくれた。とてもきれいな色のカシミールシルクのお土産ができた。持ち金はほぼ無くなったけど、明日はインドを立つ日なので大丈夫だろう。

店を出た後、ペルーとはそこで別れて、僕とラジャーはインド人が行くような食堂でランチを食べた。ラジャーは右手をべたべたにさせながらライスとカレーを食べていた。僕はビーフカレーを食べた。美味かった。

その後「Black & White」というインド映画を見たのだが、当然ヒンドゥー語は全く理解できず、よくわからなかった。ラジャーとは一旦別れて、夕食前の6時半に待ち合わせをした。

6時半の待ち合わせには、ペルーは来ず、ラジャーだけだった。ペルーはお腹をこわして休んでいるとのことだった。インド人でもお腹こわすんだなぁ。

2人でバーへ行き、ビールを飲んだ。ラジャーは日本の焼酎が飲みたいと言っていた。彼は僕が着ていたモンベルのTシャツを気に入り、くれないか?と言ってきた。少し考えたが、また買うこともできるし、OKし、明日プレゼントすることにした。インドでは見られないシャツのようだ。

明日、彼らは車でコルカタを観光するとのことで、一緒に来ないか?と言われるが、あいにくルピーがもうほとんど無いことを告げると、「もし、ノーマネーでOKなら、明日一緒に行こう。」と言ってくれた。帰ってからペルーと相談してみるとのこと。

久々のビールで酔った。明日が本当にインド最後の日だ。

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